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 ◎三つのお話。 ’１６年にはピゾーニ×ピゾーニと同点、更にダナックの年間ＴＯＰ５０にも選出された、ポール・ラトーの人気ピノ、『シービスケット』に最新’１８年が到着致しました。 既にこのピノの素晴らしさは説くまでもないことですが、今年は三つのお話をさせて頂けたらと思います。
というわけで、こちらでのご案内は『シービスケット』。スエルテ→ランスロット→アレグリア→アッティクスに続く、ポール・ラト国内第五番目に登場したピノであり、今ＳＲＨでも最も注目を集める畑の一つ、『ゾトヴィッチ』（詳細後述）からのシングルとなります。 四年目の’１２年にてポール・ラトーの年間ベスト・ピノに選出。’１３年にて【RP97点】、’１６年にてダナックの年間ＴＯＰ５０入り、この’１８年もツイン大台突破とポール・ラトの中でも最も新しいピノのひとつでありながら、最も高く評価されるピノとなっております。 ▼ポール・ラトー（Paul Lato）  オーナー兼醸造家のポール・ラトー氏はポーランド出身。プロのソムリエを夢見てカナダに移り住んで学びますが、何時しかその夢はソムリエからワイン造り "そのもの" へ向かうこととなり、１９９６年にメッカであるセントラル・コーストへと渡りました。彼はワイン醸造に関してはフォーマルなトレーニングを受けていませんでしたが、ＡＢＣではジム・クレンデネンに、クペではボブ・リンドキストに指導を仰ぎ、自らのインスピレーションを具体化させて行きました。後にアロヨ・グランデ孤高の五ツ星 『タレー』 を経て、いよいよ２００２年に念願の自らのワイン、３樽のピノ、３樽のシラーを初めて手掛けます。僅か三年目の２００５年には【RP95点×１／RP94点×２】を排出し、フレンチ・ランドリーへの採用も重なり、瞬く間に時の生産者へ。口コミでの評判も恐ろしく高く、新進気鋭の中でも群を抜く存在として格の違いを見せ付けています。「Seabiscuit」とは競馬ファンには御馴染み、有名な競走馬の名前に由来したもの。デビューは’０９年。母体となる果実の出所は、今サンタ・リタ・ヒルズでも最も「旬」な畑です。 ▼ゾトヴィッチ・ヴィンヤード（Zotovich Vineyard） かの『シー・スモーク』でセラー・マスターを務めていた若きライアン・ゾトヴィッチと、彼の叔父であるスティーヴ・ソトヴィッチを中心に所有される家族経営の葡萄園です。 規模は小さいながらも界隈のピノに多大なる名声をもたらすことで近年一挙に注目度を上げた畑でもあり、「ワインメーキングの９５％は畑で決まると信じている」をモットーに、高品質な葡萄栽培に尽力しています。  アドヴォケイトでここからの単一畑ピノが初めて取り上げられたのは、’０６年のブリュワー・クリフトンでした。初登場から四年連続の９０点越えは圧巻でした。現在では『ポール・ラト』『ブリュワー・クリフトン』『タイラー』『パルミナ』『トランセンデンス』などから単一畑ワインが造られ、ここに挙げた造り手に関してはその全てがＷＡ誌で大台突破を果たし、地区の各トップ・プロデューサーから一目置かれる存在となっています。 最低限に抑えた灌漑、葡萄の房が陽によくあたるようなきめ細やかな剪定、肥料には自然的堆肥を使用するなど、畑と果実への深い愛情が、そのまま品質に反映されています。 ◎Jeb Dunnuck.com （2020.8）より 【JD95点+】 「The 2018 Pinot Noir Seabiscuit Zotovich Vineyard, from the Sta. Rita Hills, saw a similar ・・levage and was all destemmed and brought up in 69% new French oak. Ruby/plum-colored, with a spicy, woody style in its red and black fruits, it has lots of cedary spice, flowery incense, and violet notes, medium to full body, a pure, balanced character, and a great finish. It's still relatively tight and focused and will benefit from another year in bottle. It should drink nicely through 2030. A great California success story, Polish immigrant Paul Lato started as a cellar hand in a Santa Maria co-op/custom crush and has worked his way up to being one of the leading producers of artisanal, world class wines in California today. Lato fashions a bevy of wines (I would normally say too many, yet given the quality he’s able to achieve, the more the merrier) including Sauvignon Blanc, Chardonnay, Pinot Noir, and Syrah. These aren’t lightweight wines, yet they never lose their sense of balance and elegance. I always describe the wines as having a slightly Old World style, but with one foot planted firmly in California. As I hope the reviews show, his 2018s are incredible wines across the board.」 ◎Wine Advocate（2020.10）より 【RP95点】 「The 2018 Pinot Noir Seabiscuit Zotovich Vineyard has a pale to medium ruby-purple color and a nose of cranberries and raspberries, Earl Grey tea leaves, saline, rose petals and earth with hints of licorice. Medium-bodied, it's a stream of satiny sweet berry fruits, ultra juicy and spicy with a long, detailed finish.」 それにしても、『アッティクス』はピノ・ファイル９８点＆全米年間Ｎｏ．１、『スエルテ』はパーカー＆ガローニのダブル大台突破、この『シービスケット』はダナックＴＯＰ５０入り…などなど、これだけ沢山のラインナップを抱えながら、駄作ナシで「どれも」が「どこかしら」で「深く」刺さっているというのは本当に凄いことだと思います。 コクがありながらも過重感なく、ラインナップの中でも最も美しい酒肉を持つピノです。最高潮の品質を備えながらも最少規模でもあり、最も注目いただきたいポール・ラトの一つです。何せ… ●年産わずか３１５箱ですから。  ■パーカー監修アドヴォケイト誌95ポイント ■ジェブ・ダナック95+ポイント |